芝右衛門狸(しばえもんだぬき)の祠

芝衛門狸の祠

① 芝右衛門狸(しばえもんだぬき)の祠
芝衛門狸は、かつて三熊山に住んでいたといわれる大狸。主郭跡の片隅には、芝右衛門狸をまつる祠があり、中には狸像がまつられている。

 芝衛門狸の伝説

 あるとき芝右衛門は浪速(現・大阪市)の中座で大人気の芝居があると聞き、人間に化けて大阪へ渡った。そして、木の葉を金に変えて芝居小屋へ通うようになった。しかし芝居小屋では毎日の入場料に木の葉が混ざっていることから、化け狸が客に紛れ込んでいると疑い、番犬を見張らせることにした。 それを知らずに再びやってきた芝衛門は、ついに番犬にみつかり、捕らえられ、命を落としてしまう。淡路の人々はそのうわさを聞くと、口々に彼の死を惜しんだ。 芝右衛門の死後、中座では客の入りが悪くなり「芝右衛門を殺した祟りだ」と噂が立ったので、芝右衛門を芝居小屋に祀ったところ、また客足が良くなった。以来、芝右衛門は人気の神として中村雁治郎、片岡仁左衛門、藤山寛美といった多くの役者たちに厚く信仰されてきた。後に芝右衛門の里帰りと称し、寛美や仁左衛門らの寄進により洲本市に芝右衛門の祠が建てられた。現在では芝右衛門の祠は三熊山頂上の洲本城跡に近くにあり、芝居好きであった芝右衛門の伝説から、今なお芸能人の参拝が多い。中座に祀られていた「柴右衛門大明神」も2000年に「里帰り」し、現在は洲本八幡神社に祀られている。

↓写真① 1962(昭 和37)年に片岡仁左衛門(かたおかにざえもん)、藤山寛美(ふじやまかんび)といった、大阪の芸能人たちが寄進したもの。今は解体された道頓堀中座にも、「おたぬきさん」と呼ばれる芝右衛門狸をまつる祠があった。大阪の芸能人たちにも、芝右衛門狸の話は親しまれていたのである。

芝衛門狸をまつっている祠

↓写真② 近くには、芝衛門狸の伝説が書かれた看板が立っている。(クリックすると拡大できます)

芝衛門狸の伝説

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